第一世界 

Ba4fdabaaea49c63d25388478cd0c696 YNballさんからのエピソード

第一世界に生きる「神の一族」と、その末裔になった少女「ポム」の話。


混沌の中で生まれたこの場所は、果たして平に広がる大地なのか、それとも宙に浮かぶ丸い星なのか、誰も知らない。
私達はそんな曖昧で不確かな存在を「世界」と呼ぶ。
ここは最初の世界、物語の始まりである。

この果て無き世界には、ひとつの種族が住んでおります。彼らは人と似たような姿をしているが、人より遥か長い寿命を持っている。そんな彼らは自分のことを「神の一族」と呼んていた。「神」と言っても、長い寿命の他に特別な力を持っているわけでもない、逆に寿命が長いから、子供を育つの時間も長くなっていて、そのせいが人口はあんまりいません。人口が少ないから文明の発展も遅い、未だに火と木材をメインのエネルギーとして使っている。原始的生活の中、彼らは地を耕す農民と、牛や羊を飼う遊牧民に分かれ、二つの文化を育ちつつ、日々を繰り返されていた。
そこで、彼らの信仰について語りたい。この世界の中央に、ひとつの巨木があります。いつからそこに居たのが、それすら知られていないこの木は、山ほど高く、大きく、一番低い枝でさえ地面から何十メートル離れでいて、とても不思議な木でした。当時の「神の一族」はまだ知らないが、この木こそ、世界の行く末を把握する「最初の因果律」だ。彼らは知らないまま、この木を崇め、「世界樹(せかいじゅ)」と名づけて、自分の信仰にしていた。そのため、農民だちの住む村は世界樹の周りに建てられ、遊牧民も周期的に村へ帰ることになる。この世界樹を崇め続ける限り、程よい日差しと雨など必要な恵みを得ることができる、彼らはそう深く信じていた。
低下する生育率そして深い信仰は、文化に影響を与えだ。寿命の長い彼らは、体の成長も緩い、百年近くでやっと人間の14歳くらいの姿になれる。だからこそ、神の一族にとって、滅多に訪れない子供の「誕生」と「成人」は、村ごとお祝いするくらい重要な日となった。そんな日が来るたびに、村の長は全ての族民を招集して、新生児や新しい成人になった子を祝福するための儀式を行う。もちろんその儀式は世界樹のもとで行われで、通常は盛大な宴を伴っている。

異変が始まるのは、村の長の孫娘が生まれた日。
長い長い時の中を生きて、何一つ変わりのない、あの「世界樹」は、あの日に生まれた娘の泣き声と共に、一輪の花を咲かせた。一夜の間、青く揺らぐ木の葉の先、小さい白い花は次々と咲く、瞬く間に落ちてゆく。二日目の日差しが地に落ちる時、この巨木の上には、ただ一つの青い果実が、実るのを待っているだけ。
あきら様な異変、「偶然」にしても都合が良過ぎる。村の長でさえ、簡単に異変の真義を理解することはできない、しかしあの青い果実が彼の目に映る瞬間、まるで啓示を授けられたのように、彼はふっと理解した。全ては世界樹の意思であること、あの果実もまだ、あの子に課せられた運命であること。悟り開いだ村の長は、新生を祝福する儀式でそのことを族人に伝えだ。そして、いつかあの果実を「正しい人」へ渡すため、彼は一つの計画を始めた、それは階段を築けること。世界樹の幹を沿って、長い階段を築き上げ、その果実へ辿り着くまで。多くの村人は退屈しのぎに、彼の計画に参加した、彼らにとって、例え何百年の時間をかかるとも、それもただ命のほんの一節であろう。
そうやって、異変を記念するため、可哀らしい小さな娘に与えられた名前は、「果実」を意味する言葉――「Pomme(ポム)」だった。
しかし、計画を進みながら平穏の暮らしを過ごしてるうちに、災厄は訪れた。農作物の収穫は年々減っている、牛や羊だちも相次ぎ死んでいく。百年の時間で、災厄もどんどん酷くなっている、今年は旱害に苦しむ一方で、次の年になると、今度は雨が降り止まない。ポムの成人まであと一二年の頃、天候の不調はついに飢饉になってしまた。村人だちの疑惑、悩み、絶望、全ての感情はあの無邪気の子に向けて、牙をむいだ。かつて彼女の誕生を祝福する人も、かつて彼女に期待を持つ人も、かつて彼女の友である人も、今となっては、彼女を呪いの子しか見受けなれない。
やがて成人の日は訪れる、遊牧民も村へと帰っだ。村人だちの、僅かにたもられていた理性の糸も、彼らの到来ど共に切れていった。いくどころのない怒りと憎しみは暴力に変え、人々は考えるのをやめだ。
「そうさ、あの娘の殺せばいい、呪いの一家を殺せばいい、そうすれば、災厄もきっとなくなるんだ。」
彼らは本気に、それを実行した。
まだ明けない深闇の中、火の光が灯され。まるでその光が希望を導いてくれたのように、人々は農具や生活器具を武器にして、村の長の家を襲った。それはあまりにも非道な光景だが、彼らはまるで自分の行為を正義だと勘違いされたように、掛け声ど共に家に侵入して、火を放った。とっさの出来ことで、為すすべもないポムの一家は、やがて彼女を守ろうと決めた。
燃える家と両親の涙を背にして、ポムは逃げた。
でも一体どこへ行くと言うの?この小さな村で、逃げてもすぐにバレる。夜闇に紛れて、人目を避けながら彷徨うその時、彼女の目に映るのは、建てかけの長い階段だった。まだ完成してない階段は、その果実と少し距離はあるげと、そう遠くもない。あの時彼女は初めて、果実と引き合うように感じた。衝動に応じるまま、ポムは、階段を登った。彼女の姿に気ついだ人々もすぐに彼女の後ろを追った。
階段の先、既に実った果実は赤く色ついで、静かに誰がに摘み取らてるのを待っている。狂乱に取り込む人だちに振りもせず、ポムは走り続ける。階段を辿り、枝を登る、彼女はついにその果実を手にした。
一瞬、幾千幾万年の星霜を過ぎたように、歴史は目の前に浮かぶ。彼女はふっと理解した、自分は今、世界の運命を握ること。災厄も、争いも、全て因果の循環に過ぎない、同じようなことこれまでなんども起きだ。それなのに、愚かな族人だちは衝動と盲信に身を任せ、ただ彼女を殺そうとしている。
追いつく人々の前に、彼女は悲しく微笑んだ。「そんなにアタシの死を望むなら、叶えて差し上げましょう。その代わり、ちゃんと見てでください、これが「悪意」に招かれた結果、これが「悪意」に招かれた破滅です。」家族を失う悲しみと一族に悪意を向けられた苦しみから、彼女はこの世界を放棄した。手にした果実を一口噛んで、彼女は命を断とうど、木々の先から飛び降りだ。するとその果実から一筋の閃光が放されーー世界は滅んだ。
この世界の「因果律」は破壊された。全てが終わった。
はずだった。
再び目を開いた時、自分は眞白な空間に居た。何が起こったのが、彼女はすぐにわかった。本来世界ど共に消え去る自分は、「因果律」を少し食べたせいで、既に「因果律」そのものになっていた。そしてここは、元の世界が滅ぶ時、気を失った自分が無意識に作られた「世界」でしょう。今、それすら理解した自分は、何よりの証拠だ。
唯一の「神」になった少女は、悲しみから逃れられない。今更生きていても、なにをすると言うの?その答えを示す人はもう、誰もいない。この孤独も、永遠の命も、きっと世界を滅んだ自分に課せられた罰だろう、ならばこの命をもって、罪を償おう。
そうやって、彼女は自分の世界を復元するための、無数の世界を創り出す、果て無き実験を始めた……

END.


このエピソードの登場人物