デュラハンチョーカーとの出会い 

F7cbcb949421a94be23ac6f09f370339 水川青天さんからのエピソード

レイチェル・フィアンクス氏とデュラハンチョーカーとの出会い。


 ひょんなことから俺はデュラハンチョーカーなる首輪を手に入れた。

 首輪にはいくつか小さいながら恐らく本物の宝石があしらわれており、輪を2つにできるかのような切れ目が入っていた。

 何故俺はこんなものを衝動的に手に入れようとしたんだ……と悩んでいると、レイチェルちゃんが現れた。

「せいちゃーん! あーそーぼ!」

 レイチェルちゃんには俺の家の合鍵を渡しているので、俺の家にはフリーパスだ。俺からレイチェルちゃんの家へもしかり。

「あれー? 何で首輪なんて見つめてるの? もしかして……わたしをワンちゃんみたいにしてみたいの?」

「んなわけあるか! チョーカーだよ、装飾用の首輪。デザイン的にも恐らく女ものなのに、何でこんなの買おうとしたんだか」

「えーでもきれいじゃん、その首輪つけてみたい!」

 好奇心は猫をも殺す。その言葉が頭をよぎるも、言われたとおりレイチェルちゃんに首輪をつける。

 首輪をつけてみると、首輪はレイチェルちゃんの首まわりとジャストフィットし、レイチェルちゃんの首まわりに首輪がはりついたようだった。

 この首輪の名はデュラハンチョーカー。

 嫌な予感がする。当たらないでほしいと思って、俺はおもむろにレイチェルちゃんの頭を両側で持った。

「……せいちゃん?」

 その後、首を徐々に持ち上げていく。

 すると。

「……えっ? ……えっ?」

 レイチェルちゃんの首が身体から離れていき、身体は首なしの状態となる。

 首を失った首なしの身体の手が首元を触り、自分が首を失ったことを確認していた。

 一方、生首になったレイチェルちゃんの首は。

「へぇー……私の身体って客観的に見るとこんな身体してるんだ……すごくおっぱい大きいね」

 首を失ったことを確認したレイチェルちゃんの身体は、俺に向かって片手で手を振る。

 首が外れたというのに意外と落ち着いている。

 レイチェルちゃんの生首は俺の手の中。

 しかし、今のレイチェルちゃんと今まで見たデュラハンと比べると、大きな違いがあった。

 断面だ。

 身体の方の断面は黒い絹布のようだった。

 一方の首側の断面も、黒い絹布のよう。

 首輪は身体から首が切り離されても綺麗に半分に分かれている。首輪を外すことはできなかった。

 断面を触ってみても、まるで質のいい絹布を触っているような触感で、ずっと触っていたくなりそうだったが、レイチェルちゃんがくすぐったがってたのでやめた。

 本物のデュラハンなら、断面はもともと切れていたかのように肌色が広がり、触感は皮膚のようだったはず。

 つまり、このデュラハンチョーカーは、首が外れるものの"本物のデュラハンと区別するため"断面が違うものになるようにしたのだろうか。

 レイチェルちゃんの身体が首を返すように求めてきたので、レイチェルちゃんの身体に首を渡す。どうやら傀儡型デュラハンに近いようで、レイチェルちゃんの首の意識がそのまま身体に伝わっているらしい。

 すると、レイチェルちゃんは首をつけずに両手で首を持ち、不敵な笑みを浮かべた。

「これ……面白いじゃない。首が外れても身体の見てる光景が見えるみたいだし、私はまた1つ強くなったのよ!」

これが、レイチェル・フィアンクスとデュラハンチョーカーの出会い。

これ以降、レイチェルちゃんは首と身体が分離するようになってそれを使いこなしていくようになるのだが、それはまた別の話。