脱走 

Cd6a14e96a212c20c9aac0289f25469a Roxelさんからのエピソード

ちょっとえっちな描写がはいってなくはないけどぬるい。
二人はこんな関係です。


side:A
「おやおや、一体どうしたんです」
仕事を何と無く早く切り上げて屋敷に戻ってみると、オロオロとする使用人の姿が見えた。
「あ、ご主人様、えっと」
「なんか大きい犬?がいきなり飛び出してきたのですよ!」
二人の使用人のウチ一人が元気よく答える。
「がーっと廊下から来て二階から一階飛び降りていって、凄い勢いで出て行っちゃいました!」
稚拙な説明だが、粗方状況を把握した様にふむとつぶやいた、仮面のせいでよくわからないが、男は顔色一つ変えてないようだった。
「あ、あの、御主人様、申し訳ござ」
「貴方、怪我は?」
「は、はい?」
叱られるとばかり思い込んでいた使用人は、予想と違う言葉に間の抜けた返事を返してしまう。
「失礼」
「ひゃっ!?」
男は即座に使用人達の身体を一通りチェックし
「怪我はしてないみたいですね、よかった、女性に傷がつくのはよくない」
と安心したように微笑んだ。
「じゃあ、中の様子を見ておきますか」
男はそう言い放ち、ドアを開いて中に入る。上質な床材や、階段の手すりなど、ところどころ爪痕が残り、今朝飾り立てたばかりの花瓶は倒されて花と水と破片が床に散乱している。
「お帰りなさいませ、御主人様」
一人のすらりとした鳥のような男が主の帰宅に気づき深々と頭を下げた。
「思ったより、ひどくはないようですね」
「一部の床、壁、階段の手すりの損傷、廊下に置いてあった花瓶が数個割れた程度ですね」
男は主に対して、現場を眈々と報告する。
「あの檻から、どうやら力でもって脱出したようですね。檻の一部が折り曲げられておりました」
「なるほどねぇ…」
男の報告を受け、主は少し考え込む仕草を見せた。
「では、後片付けをお願いしますね」
「もちろんですよ!」
「お帰りまでには粗方綺麗にさせておきます」
「よろしく頼みましたよ」
仮面の男は使用人達にそう頼むと、 また街に向かって、屋敷から出て行った。

「全く、ヴァロさんったらお仕置きが必要ですね♡」
釣り上がる口元を隠さぬまま彼はひどく楽しそうに、街へと姿をくらました。


Side V
暗闇に包まれた入り組んだ路地裏をがむしゃらに走る。
何かに怯えて逃げるように、街には似つかわしくない狼はただただ走る。
ただあまりにも地の利がない、そのうちに袋小路に入り込んでしまう。
狼は踵を返し、別の道を選ぼうと振り返る。
「ダメじゃないですかぁ~ヴァロさん?」
どこからか音もなく、唯一の逃げ場であった道から、仮面をつけ装飾のやたら多い派手だが、小さめのシルクハット被った男が現れる。
「貴方のいない空っぽの檻を見てどんな思いをしたか…さぁ、帰りましょう?ヴァロさん?」
男はさも当然とばかりに手を差し出す。ヴァロと呼ばれた狼は自分よりも二回りは小さい男に歯を見せ威嚇をしつづけ微動だにしない。
「帰るだと…?彼処は俺が帰る場所などではない」
狼は吐き捨てる。
「貴様の元に帰るなど、反吐が出るわ」
「はぁ、ヴァロさんったら諦めが悪いんですから、まぁそこも魅力的なんですけどね」
それに対して男はやれやれとばかりに返す。
「いいですか、ヴァロさん、貴方は私の物なんですよ?
自分の私物がとことことどっかに行ってしまうなんて、本来、あり得ないでしょう?」
幼子にでも言い聞かせるように、男は言い切った。
「貴様のモノになった覚えは無い!!!」
狼はそういうと男に飛びかかる。体格差では俺のほうが圧倒的に有利のはず。
が、いない。さっきまで俺の下にいたはずのあいつがいない。
「んどうしましょうかねぇ」
後ろから声がした、振り返ると奴がなんともない姿でそこにいた。
「本当はこういうの、得意じゃないんですよね、私」
鞭をしならせ男はぼやく
「でもヴァロさんが望むのなら、仕方ないですよね?」
そういって男はにっこりと微笑んだ。


side A
先日脱走されたときに、ついついやりすぎてしまったようであの後屋敷に運ばれてからも丸一日ヴァロさんは目を覚ましませんでした、てっきり死んでしまったのかと少し心配になりましたよ。目覚めたあとは酷く頭痛がしているようでしたが、お腹は空いているらしく、食事の要求をしてくれましてね、もちろんすぐ用意させました。まぁその後は私には一切話しかけませんでしたし、目も合わせてくれませんでしたが…。だってまた逃げられでもしたら困るじゃないですか、だからその口輪も首輪も手枷も足枷も、全部しょうがないじゃないですか。私だってヴァロさんの手足を傷つけるかもしれないのでしたくなかったんですよ?まぁ今ヴァロさんが着けているのは、私が選びに選び抜いたものですから、実用性も抜群で、傷もあまりつけないものなんです、わざわざ特注で作ってもらったんですからね。ですが、やはり体罰はやっぱり少し考えないといけませんよね、ついつい手が出ちゃうのが私の悪い癖です。
そこで、今日はちょっと趣向を変えてみることにしてみたんですよ、えぇ、前から噂で聞いていた薬売りのところにいって、そろそろ新月なので、ヴァロさんの解毒剤ついでに色々とお願いしたらなかなか面白いものをいただけましてね。せっかくなんで、今日はつかってみようかと思いましてね、先程メイドに持っていかせた料理にとりあえず仕込んでみたんですよね。
あと香のものもあったので、それもとりあえず準備させてみたんですが…そろそろ薬がききはじめる時間でしょうか。うふふ、ヴァロさん楽しんでくれますかねぇ♡

side V
コンコン、と質のいい音が部屋に響く。足音からしてあいつだ、ドアが開いた瞬間に耳障りな声が部屋に響く、頭が痛い。
「ヴァロさーん♡ご機嫌麗しゅう、調子の方はどうですか?おや、なにか言いたそうですねぇ、何か変わったことでも??」
仮面をつけたまま、口元だけをつりあがらせて笑う、まるで悪魔の様な笑み。やはり、こいつだったか、いや、ほかの原因を期待した己が馬鹿だったか。
「きっ…さま…」
口につけられた拘束具と、身体中を覆う痺れが口までまわり、碌に言葉も話せやしない。痺れがなくとも、手も足も首にも枷が繋がれていて身動きなどとれはしないのに、一体何を企んでいるのだ。
「こほっ、これ少し強いれすね、もう僅かしか香りが残ってないのに、わらくしも若干…こほんっ、すこし換気しますかねぇ」
「っ…!や…はり、きさ…」
「うふふ、あのお香、素敵な香りでしたでしょう?まさに、痺れるような刺激的な香り、とでもいいますか、まぁヴァロさんには少しばかり刺激が強すぎたみたいですけど、ね」
俺のような獣人にはそこいらの薬では、まったく効くことはない。つまりこいつはわざわざそれ用のものを買ってきたということになる。そしてそれを、こうして枷をつけた状態で部屋に香として焚く。動きを奪うだけでそれだけのことをするものだろうか、それともまだ他になにかをやるつもりなのか…。
「ヴァーロさんっ!なーに考え事してるんですかぁ?」
あいつがいきなり顔を掴み、振り向かせる、
「んきゅぅっ」
だけだったはずだ、なのに、なんだこの声は、馬鹿な、おかしい、こんな、
「……ふっ、うふっ、うふふふふっ、うふふふふふふふふふふふ」
目の前に広がるあいつの口元がまた、つりあがる。それこそ口が裂けてるんじゃないかと思うくらいに。
あいつの指が、俺の首元から顎の下を口につけた拘束具をよけてなぞる。
「ひゅっ……っん、っくぅ…」
それだけなのに、ぞわぞわと背筋に鳥肌がたつ。
「ヴァロさん、貴方、なかなかいい声でなくんですねぇ…」
「ふざけっ…きゃぅ…」
耳をふにふにと触られる、おかしい、普段はこいつに触られると吐き気がするほどなのに、
「どうして?って顔してますね、ヴァロさん?」
ニタニタとした笑みを浮かべながらあいつは触るのをやめない
「貴方の食事にね、お薬を混ぜさせていただきました。なんでも感覚が鋭くなるお薬だとか、ここまで効くとは思いませんでしたけど、あの薬屋なかなかいいものを扱ってますねぇ」
あいつが喋ってる間にあちこち触られ、俺必死に歯を食いしばり耐える。
「あらあら、もうないてはくれないんですか?」
「…っ、貴様の…おもい、通りに…など…ならん」
「うっふふふ、今日はたぁっぷりと、可愛がってあげますよ、ヴァロさん?」

side A
うふふふふ、ヴァロさん、貴方はやはり美しい、だからこそ、だからこそ、どうしても欲しくなっちゃいますね。美しさは罪…よくいったものですよね、本当に。
そうですね、どこから手をつけましょうか、とりあえず、ちょっと身体を起こしてくれませんかね?足枷や手枷がついていても、膝立ちになるのは平気ですよね?ほら手伝ってあげますから。うふふ、よく出来ました、今のでわかったと思いますけど、貴方の首輪とこの手枷は繋がってますので、これをここに引っ掛けてっと、うふふ、これで前に倒れることは出来ませんね、貴方に押しつぶされても困りますからねぇ、うふふふ。にしても、こうしてまじまじと見るとやっぱりガタイの良さがよくわかりますよねぇ。首も太いし…鎖骨なんかは人間よりなんですねぇ…肩や腕も逞しいですし…胸板も厚くて羨ましいです…お腹の方も毛でよくわかりませんが割れているんですねぇ…うふふ、腰回りもきゅっと引き締まってて…脚も、無駄な肉などついていないし…。うふふ、どうしましたヴァロさん?触られる度にビクビクしちゃって、まるで折檻に怯える子犬の様でとっても可愛いですよ。ところであの奴隷商の処にいるころから着けてるこの布切れとっちゃっていいですか?今度ヴァロさんの洋服も仕立てて貰わないといけないですね、ヴァロさんどんな服が似合いますかねぇ、大丈夫ですよ、最高のものを用意しますから。ヴァロさんったら、何にも言ってくれないから、本当に怖がってるだけなのかと思っちゃいましたよぉ?それとも、
ヴァロさん、貴方、もしかして初めてなんですか?うふふふふふふ、駄目ですよ、そんな何されるかわかんないって子供みたいな顔してたら、嘘だってバレバレですよぉ?うふふふふ、そうだったらいいな、とは思ってたんですけどね、まさか本当にそうだとは、私、すっごく嬉しいですヴァロさん♡、貴方のはじめて全部私が貰えるなんて、うふふふ、美しい貴方に私を刻み込めるなんて、夢みたいですよね、うふふふふ、はじめてと聞いたら目一杯可愛がってあげたくなっちゃいますよねぇ、少し撫でただけでビクビクしちゃって、うふふ、暴れないでくださいね、間違えて噛み切っちゃうかもしれませんから♡


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