Missing thumbりざさんずさんの創作っ子
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シス

「魂を奪い壊す紫水晶の牙」

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プロフィール

フルネーム
Amethystos=Dunkelheit
フリガナ
アメシストス=ドゥンケルハイト
登場作品
【アダマンタイトの見た夢】
年齢
外見年齢40歳前後
誕生日
10月31日
性別
血液型
A型(タイプ)
身長
180㎝
体重
成人男性の平均並み
出身地
不明
一人称
二人称
お前 貴様
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【概要】
 城下町から離れた土地にある鬱蒼とした闇深い森、通称「黒い森」の奥に屋敷を構える<吸血鬼(ヴァンパイア)>の男。

 独りきりで住むには大きすぎる屋敷に、使用人も雇わずたった独りで住んでいる謎めいた人物。いつから屋敷に住んでいるのか、何故独りで住んでいるのか、など自分の過去については口を固く閉ざし一切語らない。棲み処としている「黒い森」そのものに幻術をかけており、森に立ち入った者を迷わせ、幻覚で怯えさせ、何人たりとも屋敷に近づけさせようとしない。そのため人間たちからは「黒い森の<吸血鬼(ヴァンパイア)>」と呼ばれ、密かに恐れられている。

 常に顔の右半分を長すぎる前髪と包帯で覆い隠しており、素顔を見ようとすると非常に嫌がる。実は隠した顔の右半分はひどく焼け(ただ)れており、その醜い容姿は本人最大のコンプレックスとのこと。また、右手にも同様の爛れがあり、普段は包帯で隠している。しかしコンプレックスである以外にも、特に顔の爛れを必死に隠す理由があるようだが……。

 <吸血鬼(ヴァンパイア)>の例に漏れず強力な戦闘<魔法>を操るほか、動物(蝙蝠や狼)や霧への変化、幻術、怪力、テレパシー、飛行能力など多彩なスキルを持つ。一般の<吸血鬼(ヴァンパイア)>より遥かに強力な魔力と冷酷さを持つため、同胞ですら彼を「冷血鬼」ともじって呼び、恐れている。

 神の遺産である魔法が結晶化した宝石<ミステリアジェム>を宿した特異体質持ちで、「紫水晶」を宿している。
 能力は「魂を奪い壊す紫水晶(アメジスト)の牙」
 吸血目的か否かに関わらず、魔力を込めて噛み付いた生き物の魂(正確には魂を形成するエネルギーである生命力)を奪い、場合によっては回復困難になるまで生命力を吸い取る攻撃特化の能力。その能力ゆえに相手の魂そのものを壊し、生命力全てを奪い、殺すことも出来るが、吸収した生命力が自身の糧になることはなく、力をフルに使った反動は決して軽くない。

【性格】
 冷静沈着であり寡黙。独りの時間を好むためあまり他人との交流は望んでおらず、多くを語らない。<吸血鬼(ヴァンパイア)>特有の端正な顔つきも相まって、どこか冷徹な印象が纏わっており近寄りがたいが、本来は不器用ながらも心優しく面倒見がいい父性的な性格。クールだが決してドライとは言い切れず、困っている者を放っておけずに手を差し伸べてしまうため、どこかアルと似て苦労人。それでもアルよりも何倍も大人であるため、面倒事にむやみに首を突っ込んだり感情に任せて突っ走ることはほとんど無い。

 <吸血鬼(ヴァンパイア)>でありながら人間への敵対心は薄い……というよりあまり執着が無いようで、「自身の渇きと飢えを満たす餌」程度にしか思っていない。そのため人間に対して積極的な敵対行動に出ることや差別意識を見せることは無い反面、単なる餌である人間に情けをかけることも基本的には無い。昔はもう少し人間に親切だったという噂もあるが、真偽のほどは定かではない。

 世界中の言語の様々な本を読み漁っているため非常に博学かつ聡明だが、屋敷に半ば引きこもっているので世俗や今時の流行りものについては疎く、たまにずれた発言や天然を発揮する。さすがに年がら年中引きこもっているわけではなく、時折採取や狩りに出かけて食料調達をしたり、ニキやネフに連れられて外界の様子を観察することも。最近はアルもシスを外に連れ出すことが増えたようで、「面倒だ」と文句を言いながらも連れ回されることを良しとしている。
 無表情ということではないが、感情に振り回されない分表情を表すことは少ない。難しい表情やクールな表情が多いので、<マモノ>の中には彼を苦手とする者も一定数いるとかなんとか。しかし一方で、笑うととても温かくて優しそうな印象、とはアルの談。

【対人関係・嗜好など】
 自身を調査対象として何度も屋敷を訪れるギルドエージェントの人間アルジェントとは種族と年齢を越えた絆で結ばれている。最初こそ他の人間と同様「渇きと飢えを満たす餌」程度にしか思っておらず、扱いも素っ気なかった。が、それでも何度も自身のもとを訪れ交流しようとしたり、自身を守ろうとしてくれるアルの姿に少しずつ心を開き、今では親子のように仲良し。だが、シス自身はアルに対して何やら特別な思いや負い目のようなものがあるらしく、時折彼を見つめる目付きが別人のようになるようだが……。

 厄神オニキスとは百余年来の腐れ縁。元は人間だったニキを厄神として生きていけるように導いたのはシスであるため、ニキはシスを人生の恩人として慕っており「旦那」と呼んでいる。シスもニキには厚い信頼を置いているらしく、ニキの助言は素直に聞き入れることも多い。一方、掴み所のないニキの振る舞いに振り回されることもあり、口では「面倒の具現体」と言いつつも何だかんだで常に味方してくれるニキに感謝している。

 自身を「パパ」と呼び懐いてくる魔女ネフリティスには娘のような目を向けており、基本的には彼女の行動や行く末を、それこそ父親のように見守っている。表にはあまり出さないが、何かと複雑な事情を抱えた不安定なネフをかなり心配しており、普段こそ強かに振る舞う彼女の秘めた脆さは他人事と放っておけない様子。また、かなり際どい衣服ばかり身につける彼女の貞操も心配らしく、ことあるごとに「布面積の広い服にしろ」と言い聞かせている(なお聞き入れてもらえてはいない)。

 昔からの趣味だという料理が非常に達者で、大抵の者は胃袋をあっという間に掌握されてしまうほど。<吸血鬼(ヴァンパイア)>に人間の食事は必要ないが、吸血頻度を最低限に抑えるため栄養を補う意味で覚えたのだという。滅多に外出しないため、食材は森に自生するキノコや果物、狩りで得た獣の肉、あとはニキやネフなどのツテを通じて調達しているらしい。
好物は血液以外ではチーズシチューという意外なもの。遠い昔に食べたという、誰かの作ったチーズシチューの味が未だに忘れられず、自身で再現しようと時折作っているようだが今のところ上手くいかないらしい。

 吸血は月に一度、満月の夜に外へ出て適当な人間を見つけては死なない程度に吸血していたが、最近は口に合う血の持ち主(=アル)がいるので飢えと渇きには悩まずに済んでいるという。<吸血鬼(ヴァンパイア)>ゆえ、日中は棺桶を寝床に眠っていることが大半で、起きている時間は料理をしたり、書斎に集められた図書館並みの量の本を読み耽って過ごしているという。

 <吸血鬼(ヴァンパイア)>の例に漏れず、朝の光は苦手(日中に全く行動できないわけではない)・ニンニクに強いアレルギーを示す・銀製品を触ると脱力するなどの弱点がある。ちなみに若い頃、隠し味に使われていたニンニクのかすかな匂いに気が付かずに料理を食べてしまい、発作を起こして生死の境を彷徨ったという割と笑えない過去があるとかないとか。

 アメシストスは<吸血鬼(ヴァンパイア)>族の名高い貴族の子として生を受けた。
 幼い頃は大人しく、魔術の腕や物覚えこそ良かったものの吸血がどうにも下手で、父から狩りを教わってもなかなか上達しなかった。<吸血鬼(ヴァンパイア)>にとって吸血が下手というのは致命的な汚点であり、同胞はシスを「コウモリ」(<吸血鬼(ヴァンパイア)>内ではかなり蔑んだニュアンスの蔑称)と揶揄して呼び、馬鹿にしていた。また、人間からは<吸血鬼(ヴァンパイア)>ということで恐れられ、時には逆に暴力を受けてしまうこともあった。
 父はそんな息子をかばい、励まし、「いつか上手になるさ、お前は私の子なんだから」と根気強く狩りを教えた。また、狩りができないので血を上手く飲むこともできず、栄養が足りていないシスは痩せており、体も弱かった。母はそんなシスを大層心配して、少しでも栄養の補助になればと美味しい料理をシスに食べさせていた。シスはそこから料理を覚えるようになった。
 そうして両親の愛情に支えられながらも、シスは両親に恥をかかせ続けている自分がたまらなく情けなくて、悔しくて、憎らしくてたまらなかった。

 シスが(人間換算で言うと)16歳頃のある日。
 <吸血鬼(ヴァンパイア)>としては成人となってからもシスの吸血下手は治らなかった。
いつまでたっても上達しない息子を見て、ある時とうとう父は激昂。初めて息子に手を上げた。

 「こんなに毎日教えているのにどうして下手なままなんだ!この出来損ないの恥晒しめ!」

 この時誰も知る由は無かったが。父は、「一族の恥と揶揄され続ける息子をどうにかしてやりたい」という単純で強い思いを抱いていた。ゆえに父は息子に必死になりすぎていた。その焦りから耐えていたものがぷつんと切れ、息子へ抱いていた愛情が憎しみへ逆転してしまったのだった。加えて「不出来な息子の親である自分も不出来と評価されている現実が許せなかった」という私情が挟まっていたことも相まって、父の感情は爆発してしまった。
 最初はシスだけにきつく当たっていた父は、やがて「お前が息子をいつまでも甘やかしているから成長しないんだ」と暴力の矛先を母にも向けるようになり、母もみるみる憔悴していった。それが原因か否かは定かではないが、母は数年後に病を患い、血の摂取もままならなくなり、そのまま他界。

 (俺のせいだ。俺が出来損ないだから、家族をめちゃくちゃにしてしまった。俺がもっとしっかりしていれば……)

 父の豹変も、母の死も、シスにとっては思ってもみなかった現実で、受け入れることは当然できなかった。どうしようもできない現実を前に、シスは途方に暮れるしかなかった。

 ある時、シスは狩りの上達のヒントを探して父の本を拝借していたが、本棚にしまう際にうっかりそのうちの一冊を落として目立つ折り目をつけてしまった。運の悪いことに、その落とした本は父が一等大事にしている本のうちの一冊だった。慌てて直そうとするシスだが、すぐに父に見つかってしまい、ひどく叱責され、殴り飛ばされてしまう。

 (だめだ……この人を、いや、こいつを放っておいたらいつか殺される)

 もうそこに、シスの知る優しい父はいなかった。シスは意を決すると、魔法を放って父を攻撃すると、その隙に家を飛び出した。父の引き止める声にも止まることはなく、出来るだけ遠い場所へ逃げた。

 無計画に家出してしまったため、シスには当然行く当てなどは無く、しばらくは根無し草の生活が続いた。しかし、吸血もできない、食事も満足に食べられない状態が三日と続けば限界が来るのは早かった。シスは前後不覚の状態に陥り、本能のままにある人間の村に足を踏み入れると、通りすがりの人間に噛みついてしまった。相変わらず血を上手く飲むことはできなかったが、少しだけでも摂取はできた。そこでようやく我に返ったシスは、あまりに無謀なことをしたと悟り、青ざめた。その時にはもう遅く、シスはたちまち村人に捕らえられ、すぐに火炙りの刑に処されることになった。

 しかし、それを見兼ねて、村人たちを説得してシスを解放してくれた人がいた。それは、「黒い森」という森林の奥地に住んでいるという貴族、ドゥンケルハイト氏だった。ドゥンケルハイト氏はシスを自分の屋敷に連れて帰ると、手厚く介抱し、血液と食事を振る舞ってくれた。
 何故見ず知らずの自分を助けてくれたのかと問うと、ドゥンケルハイト氏は答えた。

 「私は<半吸血鬼(ダンピール)>なんでね。半分とはいえ君と同じ血を宿す者の端くれとして、君のことを放置なんてできなかったんだ」

 <半吸血鬼(ダンピール)>、つまり人間の血と<吸血鬼(ヴァンパイア)>の血を半分ずつ体に宿している存在であるドゥンケルハイト氏。何でも彼の父が人間の女性と結ばれた結果、生まれたのがドゥンケルハイト氏らしい。何はともあれ、ドゥンケルハイト氏は屋敷の近くの村で<吸血鬼(ヴァンパイア)>が出て近々処刑されるという噂を聞き、居てもたってもいられずやってきたのだという。彼はこの近辺では名の通る貴族でありながら、驚くことに<半吸血鬼(ダンピール)>であることは知られていないらしい。

 ドゥンケルハイト氏はシスから様々な事情を聴くと、まずシスの今までの身の上を心から労った。やっとこさ与えられた慈しみに、張り詰めていたシスの心はやっとほどけ、今まで流せなかった分の涙が溢れて止まらなかった。
 それからドゥンケルハイト氏は、身辺の手伝いをするという条件の下で居候することを許してくれただけでなく、自分を練習台にして吸血の練習をするように提案した。それに自分も吸血の仕方は知っているので、一緒に練習しようと言ってくれた。
 ドゥンケルハイト氏と一緒に吸血を練習すると、徐々にシスの吸血技術は上達していき、やがてシスが青年になる頃には、シスは持ち前の魔術を駆使することで、普通の<吸血鬼(ヴァンパイア)>よりも上手に吸血することができるようになった。

 シスはドゥンケルハイト氏を親のように慕い、ドゥンケルハイト氏もシスを息子のように可愛がった。<半吸血鬼(ダンピール)>という血筋の関係で結婚や子を持つことは諦めていたというドゥンケルハイト氏も、同じ<吸血鬼(ヴァンパイア)>の血を持つシスが来てくれたことで味気ない生活が楽しくなって満足だった。

 時は流れ、ドゥンケルハイト氏は病に倒れた。半不老不死の<吸血鬼(ヴァンパイア)>の血を宿すとはいえ、半分は何の変哲も無い人間の血を宿す<半吸血鬼(ダンピール)>は、結論から言うと不死ではない。そのためドゥンケルハイト氏はみるみる弱っていった。
 かつて見た、母が弱っていく姿と重なって、シスはひどく嘆き悲しみ、吸血のための狩りにも行かず傍に寄り添った。そんなシスにドゥンケルハイト氏は優しく微笑み言った。

 「私の血を糧にしなさい。このままただ死んでいくより、少しはお前の足しになった方がうれしいから。
  そして、これからもどうかお前の好きなように生きてほしい。この屋敷は丸ごとお前にあげるから。
  ああでも、私の後を継ごうなんて堅苦しいこと考えなくていいから、自由に生きなさい」

 それが彼の望みならば……と、シスは涙を流しながらも、ドゥンケルハイト氏の血を余さず吸い取った。
 こと切れた彼の亡骸は塵と化してしまったため、シスはその塵を屋敷の中庭に埋めて小さな墓を作った。

 その日以降、シスは屋敷のたった一人の主となり、時に森に侵入してくる不埒な人間を追い払うことに気を揉んだり、時にドゥンケルハイト氏が残した膨大な数の本を読み耽って見聞を広げたり、時に森やその周辺に棲む<マモノ>たちと交流したりして気ままに人生を送ることとなった。

 彼の生活は安穏と続くはずだった。
 そう、ある日突然空で起きた大爆発を、目撃するその日までは。

 余談だが、【メメモリ】で登場する「キイ=エルハイア=ドゥンケルハイト」とはファミリーネームが同じだが血縁関係ではない。ただ、キイは【メメモリ】本編以降後世において有名な吸血鬼として語り継がれているため、シスもとある理由からあやかって拝借している様子。

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