Missing thumb睦月さんの創作っ子
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轟晶

「スーパーヒーローとか(笑)寝言言ってんじゃねーよ」

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    プロフィール

    フリガナ
    トドロキアキラ
    登場作品
    クトゥルフ神話TRPG
    年齢
    20
    性別
    血液型
    身長
    185
    一人称
    二人称
    あんた、あなた、君
    Medal button
     

    (初期)
    無職。引きこもりのニート。人生の楽しみはゲームと漫画、あとアニメ。
    昔格闘系を習っていたのがギリギリ残っている。

    関係者:夏目蛍(なつめ ほたる)

    晶の三つ上の幼馴染。家が近所。晶は彼女のことを「蛍姉(ほたるねえ)」と呼んで慕っていた。

    「君はヒーローになれるよ」
    幼少の頃から妙に力が強く、周囲の子供から「化け物」と石を投げつけられていた晶。そんな彼に蛍が教えたこと。その強い力を人のために使うということ。そうして人を助け、ヒーローになれば、君は人に愛される人になるだろうという。
    彼女の何気ない言葉は晶の人生を変えた。彼は強い力を人のために使うことにした。重いものを運んだり、物をどけてやったりと。彼の善行は人を喜ばせた。しかしやがて彼は「都合の良い人間」として扱われるようになっていく。確かに人々は彼の力を受け入れた、彼の望まない形で。
    晶は蛍に相談をし続けた。彼女はそのたびに「いつか皆わかってくれるよ」「ヒーローは孤独なものだよ」などと言葉を返し続け、その言葉を晶は信じた。ただ自分を受け入れてほしい一心で愚直に人のために行動したのだ。彼を受け入れる彼女の言葉は彼にとって救いだった。

    蛍は何の変哲のない少女だ。特別な能力もなければ、特別に優しいということもない、どこにでもいる普通の少女。特異な能力を持ちながら、それを持て余し苦しんでいる近所の少年を見つけ、声をかけたのはただの気まぐれだった。彼に懐かれてしまったのは最初こそ悪い気はしなかったものの少しずつ彼を鬱陶しく思うようになっていた。彼女には特別なものはないというのに、彼にはあるのだから。だからこそその能力を「人のために使えばいい」などと適当なアドバイスをし続け、彼が苦悩する様を見て裏で鼻で笑った。そんな自分のことを信じ続けている愚かな彼が哀れでおかしくて、仕方なかった。

    蛍が高校二年生になった時、彼女は恋をした。
    大学生の、大人びた男性だった。初恋に浮かれる彼女に彼は優しく接し、様々な場所に連れていった。彼女の中で晶の存在はより薄くなっていった。
    一方で晶の蛍の存在は大きさを増し、彼の気持ちは確かな恋心へと変化していた。蛍の恋を知ったもののどうしようもなく。自然と彼女との距離は開いて行った。そうして一年が経過し、彼は高校生になる。
    一方蛍の彼氏は付き合って半年が経つ頃に態度を急変させていた。少しのことで機嫌を悪くするようになった彼は少しずつDVを行うようになる。蛍の体には生傷が増え、それを隠すようにうつむきがちになった彼女は少しずつ精神的にも追い詰められていった。蛍と同じ高校に進学した晶は彼女のその様子を学内で知り、問い詰める。彼女から吐かれた彼氏との生活に彼は激高した。
    「俺が蛍姉を守ろう。俺は蛍姉のヒーローになるんだ」
    彼はある日蛍の後をつけ、彼女の彼氏に接触した。
    晶は彼を殴った。幼い頃よりも更に圧倒的に強くなっていた腕力で。彼が彼女を暴力で蹂躙するならば、自分がそれを上回る力で征服すればいい、それが彼女を救うことになると信じていた。
    「もう蛍姉に近づくな」
    蛍を後ろに庇い、晶は言い放つ。その後ろから彼女のか細い声が聞こえた。
    「…晶」
    「…蛍姉」
    「…なんてことを、してくれたの…!」
    彼女は晶の頬をはたいた。一切の容赦のない平手打ちは彼の頑強な体には大したダメージは与えずとも彼の心に強い衝撃を齎しはした。
    彼女は彼を無視し、彼氏の元へと駆けた。「大丈夫!?」と身を案じる姿は心からのもので。そしてそんな彼女を、彼は殴った。
    「お前、何を連れてきてんだよ…!!」
    「違うの、私が連れてきたわけじゃ…!ほんとなの、ごめんなさい、許して、捨てないで…!」
    口論の末、彼氏は彼女を置いて足早に去って行った。後に残されたのは頬を赤く腫らした蛍だけだった。
    「…蛍、」
    「ふざけんな」
    彼女は晶を睨みつけた。憎悪すら籠った瞳だった。
    「違う、俺は蛍姉を助けたくて…!」

    肩を震わせた彼女はもう一度晶を睨みつけると踵を返した。去り際に彼女が言った言葉が、彼の人生を、彼女に救われていた彼の人生を台無しにした。

    「近寄んな、化け物」

    晶はその場に立ち尽くした。彼女は二度と振り返ることはなかった。

    その後、風の噂で蛍が彼氏と別れたことを知った。彼氏に酷く依存していた彼女は精神を病み、学校にも顔を見せなくなっていった。
    そして晶もまた学校に顔を出さなくなっていた。彼もまた一つ悟ったのだ、「力が強いだけではヒーローにはなれないのだ」ということを。そして彼が認めてほしかったのは、他の誰でもない蛍であったということを。彼と蛍の仲は隔絶し、二人は一人の世界に籠った。

    そうして引きこもりのまま大人になった彼は当時の自分を振り返り、その愚かさを大口開けて嘲笑うのである。

    「ヒーローとか、夢見てんじゃねーよ」と。