Missing thumb睦月さんの創作っ子
A6ada0269a851cba901964d224dec11a

望月 慧

『それは確かに、彼のための「絵画の食卓」であった。』

    A6ada0269a851cba901964d224dec11a

    プロフィール

    フリガナ
    モチヅキ ケイ
    登場作品
    クトゥルフ神話TRPG
    年齢
    28
    誕生日
    6月30日
    性別
    血液型
    AB
    身長
    179
    体重
    59
    出身地
    日本
    一人称
    二人称
    お前
    Medal button
     

    【「味」がわからなくなったのは、いつからだろう。小学校の給食を、残さず食べろと言われた時か。食卓で包丁を取り出し、喧嘩する両親を眺めていた時か。口の中に、ぐにゅりと腐った「あれ」を、押し込まれた時か。
    昔は知っていた。甘い物、辛い物、酸っぱいもの苦いもの美味しいものまずいもの。知っていたはずなのに、いつの間にか全てが口の中で「砂」になってしまった。
    …ああ、どうして僕の味覚(家族)は壊れてしまったんだろう。ただ、僕は「美味しい」と食事をしたかっただけだったーーー】

    「食べ物」だけを描く画家。細身で肌は不健康に白い。一人称は私で、二人称はお前。黒の長髪で、絵を描く時などは一つにまとめる。大層な変人で、彼の周りは変人が多い。心因性味覚障害者であり、10代に至る前に味覚を失ってしまっている。その原因は両親の不仲と虐待。
    彼の中で「味」は「色」になった。辛いものは赤、甘いものはピンク、酸っぱいものは黄色。彼は自身の中に失ってしまった概念を、「絵」の中に求めたのである。小説の中の登場人物に共感し涙を流すように、彼は自身の食への欲求を筆に乗せることで「食べた気になる」のだ。故に絵を通して「味」の概念を得る自分の同士を彼は求めている。その人となら自分は誰かと「美味しい」と食事ができるのではないか?また、画家として彼が目指すのは、彼の絵を見た人間に現実味のある「味」を伝えることである。

    望月は4~5歳までは当たり前のように泣いて笑う普通の子供だった。おかしくなり始めたのはDVが始まってからだ。彼は笑えなくなり、泣くこともやめた。どれだけ殴られてもただひたすらに仲の良い家族の絵を描き続けていた。
    人に助けを求めなかったのは、自分が助けを求めたら親と引き離されることをなんとなく理解していたからだ。望月は昔の家族に戻れると信じていた。その希望が彼の精神を支えていたのだ。彼は自分が耐え続けることで、家族を庇おうとしていたのだろう。耐えるため、生きるため、そして家族への愛のために。彼は鈍く強くなる必要があったのだ。
    望月の味覚は母親が自殺し、カップ麺やコンビニのご飯ばかりが一人きりの食卓に並ぶようになったころから少しずつ失われていた。そして、父親が家に火を放ったその日。焼け落ちた家の中から単身這い出た彼は、崩れていくそれを前にして自分の指を噛みちぎった。そして流れる赤い血液で、地面に絵を描き始めたのだ。止めようとした大人に噛み付いて、ただただ一心不乱に、取り憑かれたかのように描き続けた。…やがて完成したのは、一組の巨大な、家族の絵。笑顔を浮かべる父親と母親、二人と手を繋いで笑う少年。それを描き終えた彼は力尽きたようにパタリと地面に倒れた。…彼はもう覚えてはいないが、彼が病院で目覚めて「父親が死んだ」と告げられたその日が彼が味覚を完全に失った日であり、彼が家族の絵を描くことをやめた日だ。
    何故彼は父親と共に死ななかったのか。それはただの生存本能だったのかもしれない。兎に角彼は父親を置いて逃げた。…そして自分のために父親を見捨てた自身の行為への後悔が、彼の中にあった最後の「自己愛」を破壊してしまった。

    望月は「精神的苦痛」を自身から乖離させることにした。痛みや苦痛の感覚を鈍らせ、一部の現実に対する処理能力を損なわせ、「自分が必要と思う自分」以外のものを積極的に自分の中から追い出した。彼は強く心を動かすことができなくなった代わりに悲しむことも怒ることもない。自分を守ることができなくなった代わりに痛みを感じることも苦しむこともない。そうして彼の精神は絶対の安定性と安寧を得たのだ。それを彼自身が強く望んでいた。それほどに幼い彼の前で起きた両親の自殺は彼の精神に強い打撃を与えていたのである。それから約20年間、彼はそのような自分の精神についての思考を放棄してきた。放棄せざるをえなかったのだ。彼は自分を鈍らせたために自分の「心」を考えることができなくなっていたのだから。
    加えて彼は「味覚障害」と「色・味覚の共感覚」を持った。それは、彼の「食卓」、「家族」への本能的な拒絶故だ。彼の食卓には彼一人しか席に着くことができない。彼は無意識にそれを望んでいた。彼の食卓に彼以外の者が共に座った時、またあの苦痛を思い出すのだと彼の精神は理解していた。だからこそ彼は空虚だが苦しみのない絵空事の世界に籠ったのだ。

    彼の自己防衛はおよそ完璧であった。一つ欠点があるとすれば、彼自身が彼自身を理解できていなかったことである。彼は自分で拒絶した「食卓を共にする存在」を自分で求めるようになった。彼自身で一人であることを、虚ろであることを望んでおきながら、「実のある誰か」を求めてしまったのだ。それは彼の矛盾であり、どちらも彼の本音なのだった。
    霞流澪を喪う夢を見て、彼は「誰かを喪う恐ろしさ」を思い出しそうになった。どれだけ自分から切り離そうとしても剥がしきれなかったその感情は、今の彼を作り上げた「原初の苦痛」そのものだ。それ故に彼の精神は常時の安定性を欠いた。彼の中の自己矛盾が露呈し、彼自身が目を瞑り続けていたものの一部を彼は見る。それらを理解した上で再度切り捨てようとしている彼だが、根底にあるものまでは彼の表面意識が操作することはできない。彼の強さは、彼の弱さの表れでしかないのだ。彼の矛盾が解決されない限り、彼の精神は危うさを孕み続ける。…そして彼の味覚も、戻ることはないのだろう。

    ◎関係者
    ・望月玉夜
    望月の母。料理好きでストレートの美しい黒髪が特徴的な女性。夫からのDVで精神を病み、望月が小学二年生の時自宅で首を吊って自殺した。

    ・望月優斗
    望月の父。元々精神的に脆い部分がある人間だったが、会社からの突然のリストラなどを受け妻子に暴力を振るようになった。妻の死亡を受け息子への暴力と依存は更に悪化。近所の人間に通報を受け息子を取り上げられそうになり、追い詰められた結果家に火をつけ息子と心中を図るも共に死ぬことはできなかった。

    ・祖父母
    望月の祖父母。両親が死亡してから望月を引き取って育てた。

    ・荒木 仁
    高校時代の美術教師であり望月の恩師。
    望月が画家を本格的に目指すきっかけになった人。望月に「絵を描くことで何を表したいのか」を考えさせ、腐っていた才能に道を示した。

    ・ロンリー
    18歳の少女。画家。望月の友人。

    ・霞流澪(薫乃さん宅の子)
    調音師。最近恋人になった。

    経験シナリオ
    ・絵画の食卓
    ・ぎこちない同居
    ・陶酔嚥下ポッピング(KPレス)
    ・ハッピーシュガーキャンディザイア
    ・人生画廊(KPレス)
    ・綺麗なお食事。
    ・果てにて
    ・心優しい〇〇〇〇〇〇〇〇の話
    ・今日の天気は
    ・獄楽悲願のヤービュルニー(kpレス)
    ・あなたと食事を
    ・その悪夢は誰が為に(kpレス)
    ・なんかハートがぽこぽこ出るんですけど!?
    ・咎送りの徒花(予定)

    コメント

    コメントするにはログインが必要です。

      質問

      質問するにはログインが必要です

      例: 質問はこんな感じで表示されます。

      Matomechan

      例: 回答はこんな感じで表示されます。