Image晴川やよいさんの創作っ子
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【生き神】

「十六夜の晩には、そこへ近づいてはならないよ。――決して」

プロフィール

フルネーム
不詳
登場作品
絵空事 -folclor-
年齢
不明
性別
男?
一人称
二人称
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村人の誰もが生き神として崇めている存在。
外見はなんの変哲もないただの若い男である。何を語りかけられても感情の揺らめきを見せず、ことに無口である。
村長曰く【何百年も前から村に御座す貴い御方】らしく、ニンゲンではないのだと誰からもかたく信じられている。

その正体はニンゲンに身を窶した物怪である。村長の一族が村を拓いた頃から村に棲み、ニンゲンたちの営みを静かに見守っている。
基本的には昼夜問わずニンゲンに化けていられるのだが、月に一度だけは元の姿に戻ってしまう。遠い昔は不定期だったようだが、それでは村人を無闇に怖がらせてしまうからとその日を十六夜の月が出る晩にと自ら定め、その符を自らの身体に刺青として刻んでいる。
あくまでも人を真似た姿であるため、ニンゲンと交わっても子を成すことはない。
代々伴侶となる娘とは【十六夜の月が出る晩には地下室へ行ってはならない】という約束をし、それを八回守ることができた伴侶にのみ自らの正体を明かしている(無論、その言いつけを破った女は悠以外にはいない)。
十六夜の月が出る日の黄昏時になると自らを屋敷の地下に封じる。やがて姿が獣に戻ると自我をなくし、村を荒らし尽くそうとするのだが、自らに刻んだ刺青がそれを封じているため地下室を荒らす程度で済んでいる。気が狂いそうなほどの痛みに耐えた後、荒れ果てた地下室を目にしては、毎度自己嫌悪に陥るほどにニンゲンを愛し、また自身を憎み蔑んでいる。地下室は十六夜の月が沈んだ後に、密かに彼自身の手で毎回修復されている。
悠に言いつけを破られた後、悠の裏切りを悲しんで姿を消したことになっているが、実際には自らの真の姿を目にした悠をこれ以上怖がらせない為に【ただ姿を消した】だけで、村を去ったわけではない。彼が姿を消した為に、彼がつくったもの、すなわち彼がうみだしたもの、彼が在った痕跡も、彼と共に跡形もなく消えてしまった。
となると、地下室自体を造ったのは彼ではないということになるが、それについてはもはや【生き神】自身しか知らないし、悠がその顛末を聞かされることがなかった以上、誰もその事実には目もくれないだろう。

かくして【生き神は村を去った】。
もしも悠が彼を祀るならば、彼はただの【神】となって村を見守り続けることだろう。

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